計算が速くなる、算数の力がつくとウワサの百ます計算ですが、百ます計算をするとどんなメリットがあるのか気になりますよね。
百ます計算は小学生に入ってから取り組むイメージがありますが、幼児のうちからチャレンジしている子も多いです。
そこで今回は
- 百ます計算にはどんな効果があるのか
- 百ます計算は幼児のうちからやっておいたほうがいいのか
について調べてみました。
百ます計算とは?
百ます計算とは、縦10×横10マスの左と上に、それぞれ0〜9までの数字をランダムに書いて、交差するところに指定された計算方法(足し算・引き算・掛け算・割り算)で計算した答えを書くというトレーニング方法です。
答えを入れるマスが100個あるので、「百ます計算」と呼ばれています。
手間もかからず、どんなものなのかわかりやすいので、はじめは有料のドリルを使うのがおすすめです。
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提唱は陰山英男先生
百ます計算は、陰山英男先生によって広められた学習方法です。
陰山先生といえば、「徹底反復練習」で子どもの学習処理能力を伸ばすという勉強方法で話題になりました。
ゆとり教育の時期に学力低下が問題視されるようになったころ、蔭山先生が赴任した学校で百ます計算を中心とした反復学習をし、驚くべき学習成果が!
一時期メディアでも取り上げられ、百ます計算も一気に広がり、多くの学校で百ます計算を取り入れた指導が始まりました。
百ます計算の効果
私が補助教員をしていた時、小学校でも百ます計算の時間を組み込んでいました。
百ます計算を続けていくと、こんな効果を実感します。
- 計算力UP
- 集中力がつく
- 根気強くなる
- 毎回達成感がある
昨日よりタイムが上がっていれば、昨日の自分よりレベルアップしたことになるため、子どもたちも毎日の目標になっていました。
百ます計算のやり方
百ます計算は、1問ずつ式を解いていくタイプの問題ではなく、表の中のマスを数字で埋めていく方法で解いていきます。
左上から順番に右へ行って、次の段の左端から……と進み、右下のマスを目指します。
百ます計算をする前は、この方法をきちんと教えておかないと、効果がしっかり出ません。
間違ったやり方例
- 好きなマスから埋める
- わかるところから埋める
※百ます計算を始める前にきちんとやり方を説明していないと、子どもは好きなマスから穴埋めしていきます。
百ます計算は、正しいやり方でやることで、効果も出てきます。
子どもさんが初めて百ます計算をやるときは、「左上から初めて右下で終わるように」ときちんと説明しておきましょう。
足し算・引き算・掛け算のやり方
百ます計算は、学校で学ぶ順番同じように、と足し算→引き算→かけ算→わり算→あまりのあるわり算の順番でやっていきます。
百ます計算は、足し算・引き算・掛け算のやり方は共通です。
一番左上のマスに、+・ー・×が書かれてますので、そのやり方で計算をしていきます。
たし算のやり方
百ます計算の足し算では、10を作りながら計算していくのがポイントです。
例えば、「6+7」だと、7の部分を4+3として考え、6+4+3として計算していくと、「13」という答えが導き出しやすくなります。
引き算のやり方
引き算をする場合は、10より大きな数字は「10と〇」に分けて考えていきます。
例えば、15-8の場合、15を10と5に分けて、10-8=2、2+5=7という感じで計算していくと計算の理解度もスピードも上がります。
かけ算のやり方
足し算や引き算と違い、掛け算の百ます計算を解くためには、九九がしっかり頭に入ってないと難しいです。
まずはしっかり九九をマスターすることから始めましょう。
割り算のやり方
百ます計算の割り算は「百割計算」と言います。
百割計算はほかの足し算、引き算、掛け算と比べると難易度が高いので、30問くらいで終わっている問題集もあります。
÷ | 28 | 21 | 7 | 56 | 35 | 14 | 70 | 42 | 49 | 63 |
7 |
÷ | 90 | 100 | 20 | 70 | 10 | 30 | 40 | 60 | 80 | 50 |
引用:百ます計算プリント
割り算も、ほかの算法と同じように1行ごとに分かれて計算します。
※百ます計算の割り算は大人でも時間がかかってしまいます。
幼児がチャレンジする場合は、足し算の百ます計算だけでも十分でしょう。
百ます計算の割り算の種類
百ます計算の割り算は、次の3種類があります。
- 割り切れる割り算
- 割り切れない割り算(あまりが出る)
- 割り切れず、繰り下がりがある割り算(あまりと繰り下がり)
割り算の場合、割り切れない時にでてくる「あまり」は「…」と書きます。
「2あまり3」の場合は、答案に「2…3」と書きましょう。
百ます計算をするときの注意点
百ます計算の著者の陰山先生が、著書の「陰山式 ぜったい成績が上がる学習法」で言っている通り、いくつかのルールがあります。
百ます計算をするときは、正しい方法でチャレンジすることが大切です。
百ます計算を成功させるためのポイントは次の通りです。
百ます計算のルールはとてもシンプルなので、やり方さえ覚えれば、ゲーム感覚で楽しみながらチャレンジできます。
回数を重ねるごとに、間違いも減りますし、成長を実感しやくなりますよ。
幼児が百ます計算をするときの注意点
百ます計算にチャレンジする幼児も増えていますが、幼児が百ます計算をするときは、次の点を注意しましょう。
計算のおぼえたてに百ます計算をしない!
足し算・引き算・掛け算・割り算など、覚えたての段階で百ます計算にはチャレンジしないようにしましょう。
指を使いながらやっと数えている段階や、計算に自信がないときに百ます計算を続けるのは、計算が苦痛になってしまう可能性があります。
百ます計算に慣れていない頃は、縦と横が交わるマスを探すだけでも大変なのに、計算がおぼつかない状態で計算にチャレンジするのはちょっとかわいそうです。
まずは計算の基礎が理解できることを目標にしてみると良いでしょう。
一桁の計算ができる
百ます計算は、暗算での計算になります。
ですから、百ます計算にチャレンジするためには、一桁の計算が余裕でできることが大前提です。
また計算ができない場合は、百ます計算を慌てて学ぶ必要はありません。
百ます計算以外で算数力をつけると良いのは、RISU算数とRISUきっず。
RISUきっずは、計算問題だけでなく、応用問題もたくさん出されるので、算数力を鍛えるには最適の教材です。
RISUきっずについては、こちらの記事で詳しく解説しています! → ★
RISUきっずは、算数に特化した教材なので、算数的思考を鍛えて数学的センスを養うのにもおすすめです。
足し算だけにチャレンジする
幼児が百ます計算をするときは、足し算だけのチャレンジで十分です。
そして、簡単な足し算で良いので、何度も繰り返しして同じ問題を解いていきましょう。
百ます計算では、同じ問題を繰り返して解いて「計算に慣れる」ことも大きな目的の一つです。
なので、引き算、掛け算、割り算は小学生になって余裕ができたときにチャレンジしてみて、まずは足し算を繰り返し解くことを意識して下さい。
タイムアタックには挑戦しない
百ます計算などの計算問題に慣れていない場合は、まずはゆっくりでいいので、計算問題を解くことに集中しましょう。
目標タイムは?
百ます計算の目標タイムは、次のようになっています。
- 小学校低学年:2分以内
- 小学校中学年:1分30秒以内
- 小学校高学年:1分20秒以内
- 百割計算:5分以内
幼児期の目標タイムについては書かれていないので、小学校の低学年の2分以内のタイムを目指す人も多いです。
しかし、タイムにこだわりすぎると、次のようなデメリットもあります。
- 速さばかり気にして字が汚くなる
- 簡単な計算問題は早くなるけれども、応用問題や図形問題に強くなるわけではない
なので、幼児期のうちはタイムにこだわるのではなく、ゆっくり計算していき、計算問題に慣れることを目標にしてみましょう。
いきなり百ますの計算ではなく、マスを減らす
正直、幼児が百ます計算にチャレンジするのはリスクもあります。
幼児に延々と百ます計算をさせていると、次のようなことを言い始めるお子さんが多いです。
- 飽きる
- 面白くない
- 集中力が続かない
計算問題に強いお子さんであれば、百ます計算もクリアできるでしょう。しかし、ほかのお子さんの場合は最初から100マスにするのではなく、10マス計算からチャレンジさせてみると良いですよ。
+ | 9 | 4 | 7 | 0 | 5 | 2 | 6 | 3 | 1 | 8 |
3 |
このように、10マス計算であれば1列ごとに切り替わるので、集中力が保ちやすいです。
幼児期は、百ます計算ができるようになることを目標に
幼児のうちに無理に百ます計算をする必要はなく、まずは百ます計算ができるようになることを目標にしてもOKです。
最初は、繰り上がりがない簡単な足し算から進めていき、繰り上がりがある足し算が出来るように目指しましょう。
幼児のうちに、難しい引き算などをする必要はありません。
繰り上がりがある足し算ができれば、入学前に小学校の算数をかなり先取り出来ます。
百ます計算の年齢別の効果やねらいについて
「百ます計算は効果がある!」という口コミもあれば
「百ます計算をさせても意味がない」という口コミもあります。
そこで、百ます計算の効果とねらいについて調べてみたところ……
- 計算をすることで「考える力」を伸ばす
- 集中力を高める
百ます計算の効果とねらいは、この2つにフォーカスされているのです。
考える力を伸ばす
百ます計算では、実は計算ができるようになることが目的ではなく、繰り返し計算をすることで「考える力」を伸ばすことがねらいです。
先々の算数では、考えるための力のベースとなる「計算力」は必須です。
つまり、計算ができないと解けない問題も多いため、考えることもできなくなってしまうのです。
だからこそ、この考える力を伸ばすためにも、百ます計算でしっかり「計算力」を鍛えていくことが大切です。
集中力を高める
百ます計算を提唱した陰山先生は、
「百ます計算をすることで得られる本当の効果は集中力を高めること」だと言っています。
例えば、小学生が百ます計算をするとき、前回よりもタイムを縮めよう!と思うと、一気に集中します。
つまり、百ます計算を繰り返していると、集中力がどんどん高くなり、この集中力を他の勉強やスポーツなどにも活かすことが出来るようになることが狙いです。
百ます計算をするメリットとデメリット
百ます計算をしている人の口コミから、メリットとデメリットをまとめてみました。
また、幼児が百ます計算をするメリットとデメリットについてもまとめてみました。
百ます計算のデメリットを考えるとRISU算数もおすすめ
私が補助教員として務めていた小学校でも、百ます計算が教材として取り入れられています。
娘が通っていた高校でも、朝の授業の前には必ず百ます計算をして脳を目覚めさせていました。
しかし、小学生の子どもたちが百ます計算ばかりをしていて、応用問題が嫌になったという子どもが多くなっているのも事実です。
百ます計算ではハイスピードで問題が解ける子どもたちでも、応用問題になると
「めんどくさい」
「やりたくない」
と急にやる気がなくなってしまうんです。
どんな教育方法にもメリットとデメリットがありますが、
「計算が速い子=算数が得意」
というわけではないのだと、つくづく実感します。
これからの算数には思考力が必須
これから先は、計算だけが速くなるのではなく、じっくり考えて問題を解くことができる「思考力」を養うことが大切です。
とくに幼児期の頭が柔らかい時期に学ぶことは、スピードを求める計算よりも、算数の基礎や空間認識能力を身につける方が、将来的にも役に立ちます。
算数の思考力を伸ばすタブレット学習がおすすめ
「算数の思考力を伸ばすためにはどんな勉強をしたらいいのか?」
と考えてみたとき、いろいろな勉強方法をチェックしてみました。
算数の思考力を伸ばすためには、百ます計算よりもタブレット学習がおすすめです。
算数に特化したRISUきっず・RISU算数であれば、百ます計算では身につかない算数力を身につけられます。
しかも、RISUきっず・RISU算数の月額料金は、月々2,750円(税込)と、とてもリーズナブル。しかもタブレット代も込みなので、公文式や学研教室と比べるとかなり安いです。
RISUきっず・RISU算数は、算数に特化したタブレット教材で、子どもの実力に合わせた問題を解き進めます。
百ます計算にチャレンジ出来る程度のお子さんであれば、幼児でもRISU算数を受講するのもおすすめです。どんどん問題が出来る子の場合は、先の学年の先取り学習をすることも出来ますよ。
今なRISUのタブレットを1週間お試しすることができるので、総合的な算数力をつけたい人はRISUきっず・RISU算数のタブレットを体験してみるのもおすすめです。
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