国語の勉強は、他の科目と比べてやりにくいといわれています。実際のところ、国語はやみくもに勉強しても成績が伸びにくい面はあります。ただ、入学試験に出題される問題文のスタイルや出題パターンはほぼ決まっています。
その点を把握した上で、手順を踏んで勉強をすれば、効率よく国語力を伸ばしていくことができます。現代文、古文、漢文それぞれの科目を勉強するポイントを見ていきましょう。
現代文は出題パターンをつかもう
現代文は現代で使われている言葉をもとに書かれた文章です。ですから、文章は読みやすいと思います。ただ、簡単に点数が取れるようになるかというと、思うようにいかないケースも少なくありません。
現代文で安定した点数を取るためには、出題されやすい文章の構造を把握し、その上で出題パターンを押さえておく必要があります。
入試でよく出題される文章のスタイルには説明文、論説文、小説の3つがあります。それぞれの特徴と出題パターンについて以下簡単にまとめてみます。
説明文
説明文とはある事柄について、筆者が読者に説明していくスタイルの文章です。入試問題ではその多くは序論、本論、結論で構成されています。
序論では何について説明するのか、話題提起または問題提起がなされます。本論では例示や理由説明などを通して、詳しい説明がされ、結論では全体がまとめられています。
その構成を把握した上で、筆者が何を説明しようとしているのかを捉えることが問題を解くうえで重要になってきます。
説明文の出題パターンとしては、傍線が引かれていて「筆者は何を言おうとしているのか答えよ」といった、筆者の主張を問う設問がよく出題されます。
また、「この空欄に適する接続語を選べ」といった空欄補充の設問もしばしば出題されます。あるいは、「これが指す内容を説明せよ」というように指示語が指す意味を説明させる設問もよく見受けられます。
いずれにしても、文章をいかに客観的に読み、筆者が何を言おうとしているのかを的確に把握することが問題に解答する上で必要になってきます。
論説文
論説文は、いくつか説があるなかで筆者が持論の正しさを論じている文章です。説明文と同じく入試問題では序論・本論・結論で構成されていることが多いです。
説明文と若干異なる点としては、本論では具体例を示すなどしながら、他論より自説が正しい理由を述べている点です。
論説文の出題パターンは説明文と似ています。論説文の場合、問題を解くうえで、筆者がどのように自説の妥当性を説明しているのかを、しっかり読みとることが鍵になってきます。
小説文
小説文は、ストーリー性のある文章のことで、小説の一部が課題文として切り取られていることが多いです。小説文は文章こそ平易で読みやすいものが多いですが、文中での登場人物の会話や情景描写などから、筆者が何を伝えようとしているのかを読みとる力が求められます。
出題パターンとしては、文中に傍線が引かれていて、登場人物の心情を問う問題や、登場人物の行動の理由を問う問題が頻繁に出題されます。空欄補充問題や接続詞の穴埋め問題もしばしば出題されます。
これらに解答するためには、文脈をしっかり把握しておくことも必要です。
以上のように、現代文では、客観的な視点で文章を読み、筆者の主張を読み取っていくことが求められます。そこでは、文章の構造や出題パターンを把握しておくと、問題を解きやすくなります。
古文勉強の3つのポイント
古文は平安時代に用いられていた表現など、昔のことばで書かれた文章のことです。現代で使われている言葉とは異なっているものがほとんどですので、古文単語や古典文法などをバランスよく勉強することが必要になってきます。
古文単語の暗記法
古文を読む上でまず必要になってくるのは、古文単語の意味を把握することです。中には現代の言葉とほぼ同じ意味の単語もありますが、異なっているものが大半。古文単語は一気に暗記してしまうのがよいでしょう。
暗記するといっても、受験に出題される古文単語は英単語のように多くはありません。市販の古文単語帳を一冊仕上げておくと十分だと思います。
古文単語を暗記するコツは、音読しながらその言い回しに慣れることです。あるいは、イラストや語呂合わせを使って覚えるのも脳に残りやすく効果的です。
古文単語はひとつの単語に複数の意味を持ち合わせるものがあるので、ひとつひとつ丁寧に覚えていくのも重要なポイントです。
古典文法の暗記法
古典文法は古文独特の文法のことです。フィーリングで解けるものもありますが、古典文法を覚えておけば、内容一致問題や現代語訳を問う問題で有利になります。
助詞の活用ほか古典文法の基礎を覚えていけば、古文を読むスピードも上がっていきます。音読をしたり紙に書いたりしながら覚えると、古文のリズムにも慣れ覚えやすいです。
よく出題される有名文献
古典文法と古文単語をひととおりマスターしたら、入試によく出題される有名文献に触れておくのも効果的です。入試に出題されやすい有名文献としては『源氏物語』、『宇治拾遺物語』、『徒然草』、『枕草子』、『伊勢物語』などが挙げられます。
ただ、入学試験はそれ以外の文献から出題される場合も多々あります。初めて接する古文にも対応できるよう、古文を読むための基礎をしっかり築いておくことが必要です。
漢文勉強の3つのポイント
漢文は、中国の文語体による文章のことです。漢文は一見すると漢字ばかりでとっつきにくいイメージを持たれがちですが、漢文句形や漢文句法といった知識を暗記しさえすれば、得点アップを比較的しやすい科目です。
漢文句形の暗記法
漢文句形は英語でいえば構文にあたります。句形をひととおり覚えてしまえば、文章を読んで意味を把握しやすくなります。
漢文句形は単独で覚えてもよいのですが、お勧めは例文のついたテキストを使用すること。何度も音読したり紙に書いたりして反復することで、漢文のリズムにも慣れ自然に頭に入ってくることでしょう。
漢文句法の暗記法
漢文句法は、漢文ならではの文法のことです。助詞や否定の意味など漢文句法をひととおり覚えておけば、文章の流れをつかみやすくなります。
漢文句法も漢文句形と同じく、例文付きのテキストを使って、音読をしたり紙に書いたりすることで脳に残りやすいです。
単語の暗記法
漢文に登場する単語は、古文単語と違って、現代語に近いです。ですから、覚えるべき単語数はそう多くはありません。ただ、覚えていれば漢文を読むスピードをアップさせることが可能になってきます。現代使われている漢字の意味から類推しにくいものを優先的に覚えるとよいでしょう。
以上のように、古文と漢文は一見すると読みにくく敬遠されがちです。しかし、単語や文法など基礎となるものを暗記しさえすれば、点数を伸ばしやすい科目だともいえます。
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