最近耳にすることが多くなった「早期英語教育」。
それは、小学校から外国語授業が導入されたことが大きく影響しています。
「子供が英語で困らないように、少しでも早く英語に慣れさせたい」と子供を心配する保護者の方のお気持ちは、よく分かります。
私は、子供が0歳から英語教育に取り組んできました。その結果、我が子たちはも英語も日本語もどちらも得意になりました。
長女が5歳から9歳まで英語圏で生活していた影響も大きいですが、赤ちゃんの時から英語に取り組んでいたおかげで、突然引越しした海外生活にも、順応するのはとても早かったのです。
私の経験が、早期英語教育についてお考えの方の参考になりますように。
子供は何歳から英語を始めるのが良い?早期英語教育とは
子供の英語教育に関心のある保護者の方は、「早期英語教育」という言葉に敏感になっているのではないでしょうか?
「英語教育」と見出しにあれば、ついその雑誌を手に取ってしまったり、「早ければ早い方がいいのか」など、ご家族で意見が別れたり、悩みはつきませんね。
もし、子供の英語教育について少しでも興味があれば、1日でも早くスタートすることをおすすめします。
我が子は0歳から英語教育を始めましたが、二人目はおなかにいる頃から、長女の影響で毎日英語の歌やテレビの音をきいていまし。そのせいか、英語の方が今でも得意です。
早期英語教育とは
「早期英語教育」の定義は、『中学校入学前に行う英語学習』です。
しかし、テレビや雑誌、インターネットの情報などでは、5歳頃までに英語を習い始めることを「早期英語教育」と呼んでいる、と感じる方が多いのではないでしょうか?
実際、多くの評論家が早期英語教育について議論、またはテレビ番組で意見するのを見ていると、3〜5歳ごろに取り組み始める英語学習のことを指しているようです。
また、英会話教室や通信教育、英語教材や英語絵本の読み聞かせやYouTubeなど、たくさんの英語勉強の方法があります。
0円で始められるものから、100万円をこえる教材まで費用も様々ですが、どれも英語教育には変わりはありません。
最近では、オンライン型の英会話レッスンも多く、年齢制限がなく小さな子供でも英会話レッスンに参加出来るスクールもあります。
早期英語教育が広く知れ渡り、多くのニーズがあるのですね。
母国語と英語が混ざってしまうことはない?
「早期英語教育」を始めた場合、母国語と英語が混じることを、非常に恐れる方、またそれを理由に早期英語教育に否定的な方がいらっしゃいます。
まず、答えは「母国語と英語は混じります」。
しかしこれは一時期的なものであって、その言葉をどちらの言語で先に覚えたか、だけが原因です。
また、英語保育の保育園や幼稚園、インターナショナルスクールに通っているなど、日常のほとんどを英語で過ごす子供の場合にのみ言えることです。
家庭内で英語教育をしていて、普通の幼稚園や学校に通っていれば、二言語が混じる心配はほとんどしなくても良いでしょう。
また実際、母国語と英語が混じっても、困ることはほとんどありません。
子供はその言葉を知らなかっただけで、その都度言葉を大人が教えてあげればいいだけです。
我が子たちは、幼児期の4年間を英語圏で過ごしたため、日本語に英語が混じることは多々ありました。
しかし、その都度教えたり修正することで、10歳頃には言語を使い分けて話せるようになりました。
だから、母国語と英語が混じることは一時期的であって、永遠ではありません。
逆に混じるくらい英語を習得しているのなら、素晴らしいことではないでしょうか?
世間的にはどのように考えられているの?
インターネットやテレビなど、情報が多すぎて、英語教育の何が正しいのか分からなくなってきませんか?
早期英語教育に関して、脳科学を根拠とした賛成の意見をご紹介します。
脳科学者の茂木健一郎さんは、『英語が得意な脳の育て方』(日本実業出版社)という著書で「英語教育はできるだけ幼いうちからはじめたほうがいい」と明言しています。
脳科学の研究で、脳の基礎が完成するのは5歳ごろということがわかっているからです。
また、日経新聞では「英語教育の開始時期を早めることについてどう思うか」というアンケートを行いました。
そして、30代の女性のほとんどが、少しでも早く英語を学ばせたい、と考えていることがわかったのです。
〈英語教育の開始時期を早めることについて、どう思うかインターネットを通じて全国の20~60代の男女1000人にたずねたところ、「賛成」が77.9%、「反対」が22.1%だった。とくに30代の女性では英語教育の時期を早めることに90%が賛成しており、子育て世代の母親が子どもの英語力に強い関心を示している様子がうかがえる〉
引用:日本経済新聞
一方で、教育界専門家からは、早期英語教育について反対意見があるのも事実です。
しかし、多くの保護者の方は、自分が英語で苦労した経験があるので、子供には楽しく英語を学んでもらいたい、という気持ちが根強いようです。
早期英語教育をして、私が感じたこと
私は、夫と結婚したとき「必ず海外勤務があるから」と言われました。だから、子供には0歳から英語教育に取り組んできました。
そして、英語教育をするにあたって、2点だけを継続してきました。
[list class=”ol-circle li-mainbdr main-bc-before”]
- 毎日続けること
- 子供も保護者(私)も楽しいこと
[/list]
この2つだけを守り続けてきたら、英語圏で育たなかった3人目の息子も、英語と日本語の両方が大好きな子になりました。
私は、特に②の「楽しい」が重要だと思っています。
身近な失敗例をひとつご紹介します。
あるママは、生まれたばかりの息子さんに、赤ちゃん用の歌ではなく本物の英語を聞かせた方が良いと判断し、大学の英語での講義の録音を延々と赤ちゃんに聞かせていたそうです。
もちろんそれを聞かされている家族はストレス。だから、1ヶ月も経たないうちに止めてしまいました。
そして、英語嫌いにますます拍車がかかってしまいました。
早期英語教育の1番のポイントは、難しいことをしなくてもいいので、楽しく毎日続けることです。
また、英語に取り組む時期があったりなかったりと波を作らず、どんなことでもいいので最低15分は英語に触れる生活を続けることです。
我が家は、0歳から毎日、英語を聞いたり見たり読んだりする生活を10年以上続けています。
早期英語教育のメリットとデメリット
早期英語教育を通して、多くを学びまた考えさせられることもありました。
早期英語教育は圧倒的にメリットの方が多いと感じていますが、デメリットもあります。
早期英語教育のデメリット
母国語の習得に遅れが出ることです。
子供は、大人の様に英語を日本語に訳しながら解釈しているわけではありません。
日本語は日本語で理解をし、英語は英語で理解しています。
例えば、インターナショナルスクールに通っている子供は、家で使う日本語は完璧でも、学校で使う日本語を知りません。
“Fire drill” の日本語が「避難訓練」だと知らないのです。
こういう単語の積み重ねが、母国語の遅れにつながっていきます。
また、英語が読めるようになってくると、日本語の漢字を面倒に思い始めることもあります。
英語は日本語と比べると簡単です。我が子は、簡単な英語の方をたくさん吸収し、日本語を疎かにする時期もありました。
日本語力に遅れが出ると、年相応の日本語力に追いつくために、非常にたくさんの時間がかかります。
早期英語教育を始めたなら、子供の母国語が年相応かどうかをよく観察していかなければなりません。
二人目の我が子は、英語の方が得意になってしまい、母国語力が年相応に追いつくのに、4〜5年かかってしまいました。
12歳をこえた今では、両方の言語を流暢に話し、読み書きも問題ありません。
しかし、母国語習得に悩んだ時期が長かったため、早期英語教育はデメリットと感じました。
早期英語教育のメリット
「英語耳」が育つことです。
日本語にはない発音を自然と聞き分ける力は、早く英語を始めた子供にしか備わりません。
例えば、10歳の子供に初めて英語の発音を教えた時、自分が知っている発音でなんとかしようとするため、どうしても「カタカナ英語」になってしまいます。
ところが、5歳の子供は脳も柔らかく新しいものをそのまま吸収していく時期なので、聞いた英語をそのまま発語できます。
また、口周りの筋肉も、英語の発音で使う筋肉と、日本語の筋肉は全く違います。
一方で、文法的知識や英文読解力は、中学生からの方が理解習熟度は早いです。
だから、小さな子供には会話中心の英語教育が有効なのです。
英語耳と英語発音の2点は、早く英語を始めた子供にのみ備わる力です。
もちろん世の中には、大人になってから始めた英語でも、美しい発音と、完璧な聞き取りをされる方もいらっしゃいます。しかしその裏には、膨大な努力が隠されています。
小さい頃から英語を始めれば、英語耳は自然と身につく力なので、早期英語教育のメリットと言えるでしょう。
人間性はどうなるの?英語文化に触れることで性格は変わる?
我が子たちは、とても大人しく引っ込み思案。英語圏で生活しても、その性格はあまり変わりませんでした。
しかし、日本語以外の言語のハードルはぐっとさがり、人種に対する考え方や意識が全く変わりました。
以前、学校に英語の先生が来たと子供が帰宅早々話してくれました。
私は「アメリカ人だった?」と尋ねたところ、子供は「本人に聞いてないから分からない」と答えたのです。
私は、白人だった?という意味でアメリカ人という言い方をしたのですが、子供にとって「白人=アメリカ人」という図式はなかったのですね。
それに気づいた時、自分の短絡的な考え方、視野の狭さを恥ずかしく思いました。
そして同時に、子供の国際力に感心しました。
テレビ、映画や本で触れる英語文化は、ヨーロッパ系、インド系など様々な人種のアメリカ人やイギリス人が登場します。
子供自身の性格は変わらなくても、英語学習を通して、国際的感覚が自然と身についていたようです。
早期英語教育でできることって何?
早期英語教育とは、小さなころから英会話教室に通ったり、英語の勉強をすることだけではありません。
最近では、保護者の方が子供に自宅で自ら取り組む「おうち英語」もよく聞くようになりました。
ここでは、我が家で取り組んできた、毎日続けられる英語教育をご紹介します。
英語の歌のかけ流し
0歳から始められる英語教育です。
自宅にいる時、車に乗る時、無音の静かな環境も良いですが、小さな音でCDをかけ流すことは有効だと言われています。
リラックスした状態で耳に入ってくる音は「心地よいもの」と脳が判断するからだそうです。
特に睡眠時のCDかけ流しは効果的。
我が子たちは、生まれた時から睡眠時に洋楽を聞かせていました。10年以上経った今でも毎日洋楽を好んで聴いています。
娘が初めて口ずさんだ曲は、ディズニーの英語の歌でした。英語も日本語も関係なく脳に浸透していったんだ、と感動したのを、今でもよく覚えています。
英語のかけ流しは、すぐに効果が出るわけではありません。
何年も続けてきた子供が、中学高校の英語リスニングで「あれ?不思議と聞き取れる」など、何年も先にやっと効果が出てくる方法です。
しかし、ただ聞き流しているだけで、リスニングが得意になったら、それは素晴らしい学習効果ではないでしょうか?
YouTubeKids
小さな子供にYouTubeを見せることに抵抗のある保護者の方は多いと思います。
ここでご紹介するのは、YouTubeKidsというアプリです。
子供向けの動画だけがアップされ、時間設定も出来るので、保護者の方も安心して子供に見せることが出来ます。
おすすめの英語の動画は、日本のNHK教育テレビの様な内容のもの。
フォニックスや数字、しつけなどがテーマになっています。
我が子が好んで繰り返し見ていたシリーズはこちら。
- Blippi
- Cocomelon
- Dave and Ava
- Daniel Tiger’s neighborhood
- Peppa pig
YouTubeKidsを見せるときは「英語音声のみ」など、ルールを決めて徹底すると、英語教育としてとても効果的なツールとなります。
私の3人目の息子は、日本に住みながら、YouTubeKidsだけで、たくさんの英語を吸収していきました。
英語絵本(海外の絵本)
早期英語教育には、英語の文字や文章に触れていくことも欠かせません。
今は本屋さんへ行くと、幼児書エリアには英語のコーナーが設置されるほど英語の絵本が充実しています。ボタンを押したり、ペンでなぞったりすると英語の音声が流れるものもたくさんありますね。
「私は発音が悪いから」と読むのを嫌がる保護者の方もいらっしゃると思いますが、気にしなくても全く大丈夫です。
テレビやYouTubeなどから英語の音声をたくさん聞かせていれば、保護者の方の発音がカタカナ発音でも、子供は「こんな発音もあるだな」程度にしか感じません。
実際、世の中には、インド英語、オーストラリア英語など、様々な英語の発音があります。
カタカナ発音を気にして読まないよりも、子供と一緒に英語の本を読むことをおすすめします。子供は、保護者の方と一緒に英語を日常に取り込むことで、「英語は楽しい」と自然と身についていきます。
また、英語の本を選ぶ時のポイントは、絵と文章の内容がぴったり合っているものです。
- Bob Books
- Oxford Reading Tree
などは、初めて文字に触れる赤ちゃんから読めるようにプログラムされています。
我が子たちは、この本のおかげで英語が読めるようになりました。
その後、英語の習熟度別にレベル分けされたScholasticやNarional Giographic が出版する薄い本をたくさん読みました。
自分好みの絵や内容で本を選ぶことができますし、一冊が薄く読み切れるので達成感を得られます。
本を選ぶ際、一点注意しなければならなことは、英語と日本語が両方が同じページに書いてある本です。
最近ではバイリンガル絵本と言って、両方の言語が書いてあるものもたくさん販売されています。
保護者にとって便利でも、ひらがなの読める子供だと、つい日本語を読んでしまい、英語を読まなくなってしまいます。
バイリンガル絵本は、読み聞かせ用にするなど、決めておくといいですね。
早期英語教育はメリットが大きい!迷っているなら今すぐ始めよう!
早期英語教育とは、バイリンガルに育てることではありません。
子供が幼い頃から、日本語と同じように英語に親しみ、言語の垣根や苦手意識をなくすことが目的だと思っています。
私たち保護者の世代は、英語を文法から学びました。だから、英語に苦手意識をもつ方、英語学習に苦労した方が多いと思います。
もし、「子供に同じ思いをさせたくない」とお考えなら、早期英語教育をおすすめします。
難しいことをしなくても、出来ることから英語教育にとりくんでみてください。
すぐに結果は出ませんが、保護者と子供が一緒に英語を楽しむことが、早期英語教育の成功への近道となることでしょう。
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