まず、生徒の親御さんは子供の成績を上げるために家庭教師と契約を行うというのが前提です。
成績とは言っても国語、数学、英語など各教科の成績もあれば、全ての教科の総合点やそれに伴う順位といった成績もあります。

私の経験から申しますと生徒の親御さんは総合点とそれに伴う順位を一番気にされます。

一つの教科の点数が大幅に伸びても、他の教科の点数が大幅に下がってしまうと親御さんは満足できません。

志望校への合格、途中解約の予防という意味でも、生徒の苦手教科は早いうちに克服させておいた方が無難です。

苦手な教科の教え方

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しかし苦手教科の克服は簡単ではありません。

気合と根性で苦手教科の問題を数多く解かせて克服させる方法もあるでしょうが、揺るぎない具体的な目標がある場合、または生徒がよほど我慢強い性格である場合を除いてその方法は通用しないと思います。
生徒が親に「もう家庭教師をやめたい。」と言い出し親から解約の申し出があるのが落ちです。

では生徒に苦手教科を教えるにはどうしたら良いのでしょうか。

苦手な理由を探る

まず最初に苦手な理由を探り、それに対して具体的な対処を行う方法があります。例を挙げてみましょう。

女子生徒に多いのですが学校で嫌いな先生がおり、その先生が教える教科も嫌いになり、結果的に苦手科目になってしまったというケースがたまにあります。

この場合はその生徒からその先生に対する不平、不満にまずは耳を傾け、共感できる箇所は共感してあげます。

そうすると生徒は家庭教師に対して信頼を寄せてくれる様になりますから、信頼を得た家庭教師が苦手科目を教える様にします。

この場合、学校の先生の授業を聞いていないだけで学習能力的に問題ないケースがよくあります。そのようなケースでは、しばらく指導を続けると状況がかなり改善される可能性が高いです。

できたら褒める

次にできたら褒めるということを心がけて下さい。生徒にとって苦手な教科を解く訳ですから、できる問題よりも間違う問題の方が多いことも十分に考えられます。

そのような状態であっても、できた問題に焦点を絞って褒めてあげて下さい。

「間違った問題を解ける様にしないといけないではないか。」という意見もあるでしょうが、まずしなければならないことは、生徒の自信を回復させてあげることです。

苦手教科に対して生徒は自信をなくしています。問題を解いても間違うばかりする、間違うばかりするから親や先生に叱られる。その様な経験を積み重ねて生徒は苦手教科を解くこと自体に苦痛を感じるようになっています。

その苦痛を取り除いてあげることが第一です。

その苦痛を取り除く有効な手段が『褒めること』です。

最初は「どうせ自分なんか勉強できない」と自己卑下していた生徒が褒められ続けることで「自分はひょっとしたら、やればできるのではないか。」と思う様になってきます。

褒められたからもう少し頑張ってみる、頑張ったら解ける問題が少し増えた、できる問題が少し増えたから褒められる、という良い循環ができあがると、生徒も苦手教科に対する抵抗がかなり薄れてくるでしょう。

解ける問題から解く

さらに苦手教科克服には解く問題のチョイスも大切になってきます。最初から難易度の高い問題を生徒に解かせてしまっては、問題が解けないばかりでなくその教科に対する抵抗を増幅させてしまいます。

先程申しました褒めて伸ばすという方法も使い辛くなるため得策ではありません。反対に簡単過ぎる問題ばかり解かせてしまうと、刺激がないため生徒も退屈を感じてしまいます。

そのような問題を解いて褒めてもらっても生徒も嬉しくないどころか「自分を馬鹿にしているのか」と反感を覚える場合もあります。

ポイントは、その生徒が少し考えれば解ける問題を解かせるということです。

これは少し経験がいるかもしれませんが、しばらく生徒を指導していると判別できる様になってきます。この種の問題なら生徒も解けたときに達成感を味わうこともできますし、褒められることで嬉しさを感じることもできます。

時々雑談をしてあげよう

真面目に勉強してあげるだけでは、生徒はなかなかその教科に興味を持ったり、勉強を継続することはできません。ではあなたは家庭教師として何ができるでしょうか?

答えは授業中に雑談をしてあげることです。できれば生徒のためになるような、授業内容に関係ある話をするとベストです。それが難しい場合は最近の面白い話でも大丈夫です。

本当に授業中にそんな話をしても良いのか?と思うかもしれません。でも考えてみて下さい。

生徒の集中力は90分または120分の間持続するでしょうか。
いいえ。おそらく40分前後が限界でしょう。しかもそれが、生徒の苦手教科なら尚更です。

そして生徒は楽しい物に惹かれます。もしあなたが授業中に雑談を入れながら授業を行えば、生徒は「この先生の話は面白い!」と思って、毎回の授業を楽しみにすることでしょう。

結果として、たとえ苦手な教科であっても、勉強をすることが苦にならなくなるでしょう。

では具体的にどのような雑談ができるでしょうか?私はよく英語の時間にアメリカ英語とイギリス英語の違いや、英語の失敗談などを話します。すると生徒が知らない情報なので、たいていの生徒は話に興味を持ちます。

ですから、ぜひあなただけができる雑談を探して、その力を磨いてみて下さい

勉強自体が苦手な場合

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最後に苦手科目云々ではなく、勉強自体が苦手な場合はどうしたら良いか

について考えてみたいと思います。

好きな教科を見つけよう

生徒の中には「俺、勉強が嫌いなんだ。」という子もいますが、嫌いなもの=苦手なもの、と決めつけない方が良いと思います。

その生徒をよく観察してみると必ず一つはできる分野があります。そのできる分野の理解を徐々に深めていけば、少しずつ好きな教科に変わっていきます。

好きな教科が一つできれば、それと関連した教科の理解を深めていき更にできる教科を増やしていく。例えば漢字の暗記が上手くできるようになったら、漢字をよく使う歴史(日本史)の暗記量を増やしてみる、といった具合にです。

勉強嫌いな生徒の好きな教科を見つける作業は、家庭教師だからこそできるものだと思いますので、そのような生徒がいましたらじっくり話を聞いてあげると良いでしょう。

以上のように苦手な教科を教えることは確かに大変ですが、コツを掴んでおくと教える負担がかなり軽減されますので、参考になさって下さい。