家庭教師の個人契約は利用者(生徒側)からは低料金、教師(指導側)からは高単価という費用面ではWin-Winの関係に見えますが、双方自己責任となる為リスクやデメリットも存在します。
ここでは家庭教師として働く方へ「個人契約」のやり方、メリット、トラブルの解消法などについて解説したいと思います。

目次

家庭教師の個人契約とは

一言で説明すると、家庭教師の個人契約とは「家庭教師センター(派遣会社)を介さずに家庭教師と生徒宅が直接契約を行うこと」です。

派遣会社との違い

大きな違いとしては「契約」に関することです。
一般的な家庭教師のアルバイトは家庭教師センター(派遣会社)へアルバイトとして登録・応募し、生徒を紹介してもらうことで働き出すことが出来ます。
その時、派遣会社が生徒宅と契約を結び教師を派遣させるのですが、個人契約ではその契約を家庭教師が生徒宅と結びます。

個人契約で指導を行うまでの流れ

生徒を探す(募集)・教師としてアピール→生徒と教師の条件が合う→面接・打ち合わせ→無料体験→契約→指導開始というような流れとなります。

念のため派遣会社を利用した場合の流れも記載しておきます。
家庭教師派遣会社へ登録(応募)→会社から生徒の紹介→担当を決定→研修・詳細打ち合わせ→指導開始となります。
※派遣会社も無料体験を行っていますが、紹介時には既に済んでいます。
派遣会社や、生徒を探す手段によって若干違いはありますが、大体このようになります。

個人契約の時給相場

多くのマッチングサイト(個人契約を行うサイト)の平均をみると個人契約の時給相場は1800~2500円あたりとなります。
もちろん生徒宅の希望(志望校のランクやテスト対策など)や教師の実績(指導歴や持っているスキル)によって大きく変動しますが、志望している学校が難関、医学部などの場合3000円以上もありえます。
指導料以外に交通費も支給されますが、定期券などを持っている場合その区間の範囲外が支給されることが多いです。
車やバイクでの通勤を希望する場合実費となることが多いですが、支給される場合は移動距離換算で10~15円/km程度です。

給料に関しては派遣会社を利用する場合と比べ、手数料や余分な費用も掛からないため、全て自分の収入になります。(派遣会社のマージンは3~5割となり、生徒宅が支払った指導料から差し引いた金額が給料となります。)

家庭教師の個人契約をする方法

大学からの生徒を紹介してもらう

大学の掲示板に「家庭教師としてあなたを紹介します」と言った情報を見たことはありませんでしょうか。大学ごとに違いはありますが、大抵は大学の事務室に行けばその情報を教えてもらえるはずです。
大学からの直接の紹介ですので、教師・生徒宅共に安心して仕事を探すことができます。大学が名門・難関であるほど生徒宅からの信頼も厚く利用者が多い傾向にあります。

掲示板・ミニコミ誌・フリーペーパーを利用する

地域の掲示板や情報誌から教師を募集している生徒を探す、又は教師として生徒を募集しているということを掲載することで、生徒を見つける事ができます。
但し、家庭教師についての専門ではない場合が多いため、確実性に欠けることもあります。

知人から生徒を紹介してもらう

既に個人契約を結んでいる知人が居る場合、生徒を紹介してもらえることもあります。
この方法を含め上記3つの方法では、紹介数が少なく、条件も細かく選ぶことができない(安定性に欠ける)ので、多くの方は以下の方法で実践されています。

家庭教師マッチングサイトを利用する

家庭教師マッチングサイトとは
家庭教師を個人で行いたい教師希望者と、家庭教師を探している生徒を繋げるお手伝いをするサービスです。
個人契約を始めたいという方の多くが利用しているサービスです。「家庭教師紹介サイト」や「家庭教師個人契約サイト」と呼ばれることもあります。
費用に関する違いがサイトごとにあり、「教師希望者が利用料を支払うパターン」と、「生徒宅が利用料を支払うパターン」、「教師と生徒宅両方が無料のパターン」などがあります。
利用料が発生する場合は「教師の個人情報を提供するタイミング」「教師と生徒宅が契約を結んだタイミング」など様々です。

個人契約で一番のネックになる「生徒の確保」を大きな助けとなりますので人気です。

マッチングサイト(個人契約サイト)の特徴

  • 家庭教師の個人契約を行う為のネットサービス
  • 匿名で生徒募集が可能(個人情報が保護されている)
  • 無料で利用可能なサイトが多い
  • 近くの生徒を探せる
  • 複数の生徒を受け持つこともできる
  • 受験対策や通常科目以外の募集も可能なサイトもある(スポーツや音楽など)
  • スカウト制度があるサイトもある
  • サポート体制が整っているサイトもある
  • 文章で自分をアピールすることが必要
  • 案件数は多いが実際に指導する数が安定しない
  • 仕事をしたい時に出来ない(即勤務は難しい)
  • 要注意サイトの存在もある(無料を謳いながら教師側に一定額を請求してくるなど)

登録の方法に関しましてはサイトごとに異なりますので、詳しくは該当サイトをご覧ください。

個人契約を行う上でのメリット

教師として指導する際に、派遣会社を利用しない個人契約ではどのようなメリット・デメリット(リスク)があるのでしょうか。

比較的高単価で契約ができる

派遣会社を通す場合と比較すると、入会金やテキスト代などの支払いを除き、指導料だけでよいというご家庭さんのメリットは個人契約を行う教師にもプラスになります。
余計な中間マージンがありませんので、基本的に契約時に提示した金額が通ればそのまま報酬となります。
更に自信があり、超難関校や医学部を志望する生徒のニーズが合えば高額報酬の案件も期待できます。

自分から生徒を選べる

必ず契約前に生徒さんと顔を合わせる機会があり、いつもの勉強風景や成績なども知ることが出来ます
派遣会社と違い担当制ではない為、生徒の学力と自分の力量を比較したり、場所や時間などの条件に応じてお断りすることも可能です。
指導方法も指定がありませんので独自のスタイルで行えますし、生徒宅以外での指導も可能な場合があります。

指導報告・業者と面接・研修などが不要

派遣会社で働くうえで指導報告は必須です。経験者であっても会社が変われば研修を受ける必要も出てきますが、個人契約ではそういった作業は必要ありません。

個人契約を行う上でのデメリット(リスク)

家庭教師を個人で契約した時点でプロとみなされる

センターなど企業が表だって行う契約も、個人で締結する必要があります。後々揉めたりしない為にもしっかりとした準備が必要です。
ご家庭さんから見れば契約を結ぶ相手は、たとえ大学生であっても「プロ」として認識しています。

生徒からしたら先生は個人であっても会社であっても変わりない

プロとしての意識の重要性を認識いただけたかと思いますが、生徒さんはどうでしょうか。正直な所、契約云々は関係なく一人の「家庭教師」としての認識となります。
勉強の楽しさを伝えたり、成績を上げるために勉強を教えたり、集中力を保つために時には息抜きも。家庭教師としてあるべき姿勢で授業に臨みましょう。

体験授業などの無料のみで終わるケースも

派遣会社であっても個人であってもいきなり即契約。という事はありません。まずは普段の勉強を見せて頂いたり、体験授業を行ってこんな風に授業をしますよ。といった説明があります。
もちろんこの初回の授業は無料です。
この時の対応によっては、契約を交わさず終了してしまったり、再度検討、値段の交渉などもありえます。通常企業に属している家庭教師の場合、この体験授業はあまり経験されないかもしれませんが、個人の場合こういった対応が必要です。

トラブル関連は全て自分自身で対応

あなたの指導能力に満足できなかった場合、保護者は料金を支払わないと言い出すかもしれません。そんなトラブルにも自分自身で立ち向かわなければいけません
派遣会社の場合、一旦親御さんから会社へ連絡が行き、対応の指示などが家庭教師に連絡。という流れが多いかと思いますが、全て自己責任で解決する必要があります。
個人で契約するということはそれだけ責任も強くのしかかってくるということです。

受験対策や最新の情報は自分で収集する必要がある

各企業は受験に対してかなりの力を入れて対策しています。入試動向や各学校の偏差値などの情報収集は抜かりがありません。
「成績アップ」や「志望校合格」を謳っている以上、こういった質問が多々あり、資料として授業の中に取り入れることが出来るからです。
会社から配布されていた入試対策情報なども、自身で収集しご家庭さんや生徒さんに提供する必要があります。アルバイト感覚で行うには時間的にも厳しい印象がありますね。

生徒の確保が大変

家庭教師派遣会社に登録した場合、テレビCMやチラシ配布といった宣伝活動は派遣会社が行ってくれます。そのため家庭教師は生徒確保のための宣伝活動を行う必要がありません。
しかし個人契約の場合、家庭教師個人契約サイトなどを使い自分自身を売り込むという作業が発生します。
確保できる生徒の数も個人契約に比べて派遣会社に登録した方が多いのが一般的です。

マッチングサイトの紹介

家庭教師のTo-Last

torast

URLhttp://www.ansin-teacher.net/
費用家庭教師は無料・ご家庭さん成約時7800円支払
契約方法ご家庭さんから面接依頼フォーム送信→サイトから家庭教師に打診
特徴自分の写真なども登録できるため、より詳細な情報がご家庭さんに届きます。

家庭教師の総合情報

kojinsougou

URLhttp://kojin.tands.to/
費用無料
契約方法ご家庭・教師が直接メールでやりとりを行い契約する。
特徴1999年開設の個人家庭教師のマッチング掲示板。
生徒さんの情報掲載料・先生の紹介料ともに無料のサービス。

家庭教師ASK

ask

URLhttp://www.abilityfuse.co.jp/ask/
費用家庭教師は無料・ご家庭さん成約時20000円支払
契約方法ご家庭さんから面接依頼フォーム送信→サイトから家庭教師に打診
特徴オンライン検索で全国の家庭教師が検索可能。

どのサイトも家庭教師の募集サイトと同様に、あなたの経歴や活動範囲などを登録することで、匿名で公開されます。ご家庭さんとの接点は文字ベースとなりますので、しっかりアピールしましょう。

家庭教師の個人契約に向いてる人

個人契約での一番の課題は生徒宅との安定した契約です。このような方が多くの課題を乗り越えやすく、向いていると考えられます。

自分をプロデュース出来る

自分を売り込まないといけません。セルフプロデュースをして、生徒や親御さんにアピールする事が大切です。

研究熱心で、企画力や提案力に優れている

マニュアルとかありません。自分の考えや提案がベースになります。生徒の為にしっかり提案でき、スムーズに伝達が出来る人。

責任感を持って家庭教師という仕事をやりとげる意志の強さ

責任感も強くなります。自分で管理しないといけないので、自分に厳しく、最後までやり遂げる人が良いです。

個人契約を行う上でのトラブルと予防策

家庭教師センターが介入する場合より、教材の指定や時給などの希望は個人契約の方が融通が利きます。
また生徒の希望も直接ご家庭さんから聞くことができますので、より細かいスケジュール(担当期間や成績アップの条件など)を決める事が可能です。
後々のトラブルの原因にもなりますので契約時にしっかりと把握し、双方の合意の上で行う必要があります。
個人契約の場合には指導経験が少なかったり、きちんとした指導研修を受けていない家庭教師も多く、以下の様なトラブルが発生する事があります。問題が発生した時は誰も助けてくれませんので、予防策をしっかり行いましょう。

指導料の滞納・未払い・指導開始後の価格交渉などの金銭トラブル

まずは契約書をしっかりと見直し、漏れが無い状態で契約を結びましょう。指導料の支払の多くは月末に後払いになりますので、当月の指導状況など自分だけでなく、保護者の方との共有し記録するようにしましょう。
支払方法や支払日・指導内容・指導期間や回数・時給と交通費の扱いなど、あやふやなままで進むと言った言わないと水掛け論になってしまいます。

教師と生徒間での恋愛や異性トラブル

自己防衛意識、仕事の責任感をしっかりと持ちましょう。生徒からの好意を無下にしてしまうことで関係性が悪くなることもあるかもしれませんが、今あなたが行っていることは「仕事」ですので、恋愛感情は一度どこかへ置いておきましょう。
女性教師が保護者や生徒(中学生や高校生)から暴行を受けたり被害を被ったという事件も過去には存在するようですので、男子高校生や成人男性の案件は断るようにし、女性保護者不在時に家庭に上がらないということを徹底しておきましょう。
個人情報に関しても契約を結ぶ前までは伏せて置く。というように必要に応じて知らせるようにしましょう。

教師に対する過度な期待・サービス残業を強いるモンスターペアレント

個人で契約を行う以上、保護者さんからの期待は高いです。必ず良い結果を出すまで支払はしない・帰らせない。そんなことはありませんが、契約の打ち切りやプレッシャーなどの重圧が発生してしまい、結果指導に集中できないなどの悪影響も考えられます。こちらも契約前にしっかりと話し合うことで解消出来る事が多いです。

派遣中に個人契約を迫られる引き抜きトラブル

正社員であってもアルバイトであっても契約期間中にこのお誘いに乗ることはおすすめしません。自分から個人契約の話を持ち出すことも辞めておきましょう。
今一度あなたが持っている契約書をよく読み返し、禁止事項に個人契約の内容が含まれている事を確認しましょう。最悪営業妨害として訴えられる可能性があります。

指導を行っている生徒さんは所属している家庭教師センターの営業活動がきっかけで知り得た相手です。生徒を集めるための営業活動はとても大変で、チラシ配布でも1万枚配って1件契約が決まれば良い程度だと言われています。
大変な労力とコストをかけて集めた顧客を、雇っていた家庭教師に簡単に契約されてしまっては、家庭教師派遣会社そのものが成り立たなくなってしまいます。

「個人契約が会社にバレなければ問題ないではないか。」と考える人もいるかと思いますが、自分が口外しなくても解約することになりますので必ずと言っていい程バレます。
給料が上がったとしても一時的なもので契約期間も有限です。次の生徒も自分で探す必要があります。そこまでリスクを背負うのは正直もったいないです。

個人契約で家庭教師を行うポイント・心得

時間厳守は基本中の基本

一人前の家庭教師になるには遅刻なんてしてはいけません。指導前にはちゃんと準備をして時間通り開始できるようにしましょう。
時間にルーズな人とは信頼関係も築けませんし、生徒にも悪影響になります。

契約は守る物責任を持とう

決められた期間内で希望通りの成果を出すのはとても難しいことですが、限られた時間を無駄にせず最大限の努力をしましょう。あまりにも無謀であれば安請け合いはせずに契約時に話しましょう。

ほう・れん・そうは人としてのマナー

報告・連絡・相談は欠かさず行いましょう。少しでも生徒について気づいた事があれば保護者さんと3人で話してみたりすることでコミュニケーションを取れます。
テストの点数や成績が上がった時にはみんなでお祝いしましょう。

挨拶は一般常識

指導先は生徒さんの自宅です。人の家に上がる時はどれだけ親密でも「お邪魔します」と声をかけますよね。こんにちは・こんばんは・失礼しますなど人と人との関わりには挨拶は不可欠です。

スケジュール調整早めに行う

目標に対してのスケジューリングはマメに行いましょう。テストや受験などは予め日程が決まっていますので対策が出来ます。過去の入試状況や出題の傾向など情報収集を行って生徒さんと一緒に乗り越えましょう。

家庭教師の仕事内容に関する記事紹介

家庭教師派遣センターを介した家庭教師アルバイトの始め方についてはこちらで詳しく解説しています。

家庭教師バイトの始め方・見つけ方~会社の選び方と登録から初指導までの流れ


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